エステ経営者が知っておくべき廃業を回避するためのポイント4つ!
2019.03.22
このブログはこれから独立開業される方はもちろん、独立したのはいいけど理想と現実のギャップに押しつぶされそうな悩める経営者の方のため、実経験をふまえて廃業を回避するためのポイント4つをまとめています。 やっとの思いで手に入れたサロンが人手に渡ったり廃業に追い込まれるなんて想像できないことですし開業前からそんな不吉なことは考えたくないと思いますが、廃業を回避するためのサロンを開業して成功させるために経営者なら知っておきたい重要ポイントを早速みていきましょう。
コンセプトと言うとサロンの内装や雰囲気作りに気を取られがちですが一番重要なのは 何を販売するのか?です。エステサロンといってもリラクゼーションなのか? 痩身なのか? フェイシャルだとしたらフェイシャルの何を売りにしたいのか?気持ち良さなのか、効果重視なのか?サロンの目的を明確にする必要があります。 お客様にあわせて提供するサービスは一見よさそうですが、廃業するエステ経営者のほとんどがそれに当てはまります。お客様にあわせた付加価値をつけてのサービスとお客様のリクエスト通りにサロンが合わせるのとでは意味がまったく違うのです。
お客様が望むサービスとはあなたにしかできないサービスなのです。 あなたにしかできないサービスとは何でしょうか? そのサービスの目指すところがあなたのお店のコンセプトです。 たとえば例をあげてみましょう。
サロンのコンセプトが「薔薇に包まれるエステサロン」だとします。 薔薇に包まれると謳うからには玄関の雰囲気からサロンのフロアに至るまで、薔薇で演出した雰囲気づくりはもちろん、施術に使用するオイルや化粧品、そしてウェルカムティーやアフターティーも薔薇の華やかさと上品さが売りになります。 薔薇の花には鑑賞や香りの醍醐味だけではなく美容効果も高くローズオイルやエッセンシャルオイルなども女性には人気が高いです。 薔薇が好きな人には嬉しいコンセプトになりますが、もしもこんな事をいわれたらどうしますか?
「ここの技術は気にいったけど薔薇が苦手なの~百合ならよかったわ」 そのお客様は新規来店で薔薇のコンセプトを知らなかったんでしょうね。 でも来てしまった・・・。 薔薇は苦手だけどせっかく来たから技術は受けてみようかしら・・・。 と思ったのかもしれないですね、そして最後の言葉が「薔薇が苦手なの・・・」と でも技術は気に入り、むしろ何とかこのサロンに通ってみたいという気配です。 さて?あなたならどうしますか?
薔薇の花を百合の花に変えて対応しますか? それとも百合の花から採れるオイルを調達して通ってもらいますか? 技術を気にいってくれて本人に通いたい気持ちがあるなら何とかご希望に答えたい っと思うのが普通の感情ですよね。
でも、薔薇が苦手でチューリップがいい・・・と言われたら? 薔薇よりもヒマワリがいい・・・と言われたら? 薔薇も百合もチューリップもヒマワリも同じ花です。 なぜ、多くの花がある中で「薔薇に包まれるエステサロン」にしたのでしょうか? 薔薇が好きだから、 薔薇の花に秘めた効果があるから、 薔薇独自の世界をサロンで表現したいから、 「薔薇に包まれるサロン」をつくった動機があるはずです。
百合でもチューリップでもヒマワリでもない薔薇じゃなきゃだめな理由が 一番伝えたいコンセプトのはずです。 そのコンセプトを必要としてくれる、大好きだと思ってくれる人を探すのがエステ経営者が廃業を回避するためのポイントです。
相手にあわせて百合の花やチューリップを揃えて薔薇が大好きな本当にきてほしい望んだ顧客を逃がさないようにしたいですね。
エステ経営者が廃業を回避するためには利益を出す必要があります。 そんなことは当然でしょう、そう誰もが考えるのですが実際に開業してみると利益率の低さに愕然とするケースが多々あります。
健全な経営を続けるためにも原価計算と損益分岐点は理解しておきましょう。 「原価計算」 原価というと「製品をつくるためにかかった金額」と思われがちですがエステサロンでは仕入れた商品の掛け率(仕入単価)やサービスにかかる材料費の原価計算を出します。
かといって複雑な計算式を使ったり計算を複雑にする必要はありません。
むしろシンプルにしておくほうが把握しやすいでしょう。 ベット数2台、スタッフ1名と経営者で運営しているエステサロンを例にしてみていきましょう。
コースが60分、120分で実際の施術時間とお茶のサービスやアドバイス着がえの時間を含めて計算すると1日3名~5名でしょうか。 1日平均4人の施術に入るとすると2名で8人、月22日営業日で計算すると1ヵ月176人を施術しますので月の売上は下記になります。 「週休2日で毎日、満員御礼での顧客単価ごとの1ヶ月の売上予想です」 <稼働率100%>
顧客単価 | 月の施術人数 | 稼働日数 | 月の売上 |
6000円 | 176人 | 22日 | 1,056,000円 |
10,000円 | 176人 | 22日 | 1,760,000円 |
15,000円 | 176人 | 22日 | 2,640,000円 |
100%の稼働率というわけにはいきませんので70%で123人。仮に50%の稼働率だとすると月88人の施術で下記になります。 <稼働率50%>
顧客単価 | 月の施術人数 | 稼働日数 | 月の売上 |
6,000円 | 88人 | 22日 | 528,000円 |
10,000円 | 88人 | 22日 | 880,000円 |
15,000円 | 88人 | 22日 | 1,320,000円 |
開業当初から満員御礼はエステ経営者なら誰でもが願うことですがほとんどのエステサロンが稼働率50%以下になっているのが現実です。
エステ経営者が廃業を回避するために稼働率50%とした場合の顧客単価6000円の原価計算でみていきましょう。 6000円の施術費にかかる材料を何%にするのか?
フェイシャルの場合パックだけでもお一人分100円~5000円の仕入れ価格の物もあれば使用するスキンケアの材料費も多種あります。
ボディコースの場合、痩身コースなのかリラクゼーションなのか、マシンを使用するのかオールハンドかによっても使用する材料やタイプがまったく違います。
やはり良質のオイルや化粧品を使用すると効果や仕上がりの差が歴然だとしても顧客単価が6,000円の場合材料費だけで経営を圧迫します。 仮に10%の材料費だとしたら原価は600円。
たった600円だと考えると危険です。 600円×88人=52,800円 原価計算をする時は一人分600円とは別に仕入れ単位で計算します。 一人分600円だとしても一人分だけ単独で注文することはできません。 パックやオイル、スキンケアの材料をグラム単位か何個かをまとめての注文になりますので88人分が52,800円でも実際の仕入れ額が10万以上になることが実は多いのです。 念願の自分のサロンを理想につくりたい。 だからこそ、お客様第一で価格は低価格で材料は気にいった物を使って 施術をしたい。 原価率が高く利益率が悪くても最高のおもてなしをすればリピーターが増えて紹介もしてくれるはず。
この考えがエステ経営者が廃業に追い込まれる大きな理由の一つといえるでしょう。
利益がでなければお客様に最高のサービスを提供することができなくなるからです。最高のサービスどころかスタッフの人件費を減らすか経営者は無給で働かないと維持できません。
原価率にあわせた価格設定が重要です。 「損益分岐点」 簡単に説明すると利益が0円の数字です。 最低必要経費を合計した金額がサロンの損益分岐点になります。 この時点で利益は0円で、損益分岐点をどれくらい超えるかで利益率が変動していきます。 サロン運営には固定費と変動費があります。 固定費は毎月定期で必要になる経費のことで変動費はお客様が増えたり固定費以外に一時的に増える経費です。 <坪数7..5坪(約24㎡)都内サロンの実例> 固定費
家賃 180,000円 人件費(スタッフ1名) 250,000円とします
変動費430,000円
水道光熱費40,000円
材料費85,000円
商品仕入れ125,000円
250,000円 固定費と変動費あわせて680,000円 お客様が来ても来なくても材料や商品は揃えておく必要がありますので 何もしなくても毎月680,000円と経営者の給料が加算になります。
経営者の給料が30万で98万 40万だとしたら108万、50万で118万。 利益が出るのはここからです。
稼働率50%88人で顧客単価6,000円 月売上528,000円では経営者の給料は0円で-152,000円の赤字です。
稼働率50%88人で顧客単価10,000円 月売上げ880,000円では経営者の給料20万で利益なし。
稼働率50%88人で顧客単価15,000円、月売上げ1,320,000円では経営者の給料50万でも14万の利益(黒字)になります。
独立開業前は店舗の内装や備品、スタッフの教育などでてんてこ舞いになるのがふつうです。万全に準備を整えていよいよオープン! 念願の自分のサロンのオープンにドキドキ,ワクワクしますよね。 独立前に想像していた理想のサロンがようやく開店するわけですから誰だって期待と不安でいっぱいになると思います。 最初のうちはお祝いで知人や友人も足を運んでくれるかもしれませんがその足もだんだんと遠のいていきますし誰も毎日来ることはできません。
最高の技術でおもてなし・・・一人ひとりのお客様を大切にした接客 よし! いける。
この気持ちがあれば紹介が増えてお客さまも自然と増えていくだろう! そう決意して開業した個人エステ経営者が多いのではないでしょうか?
そして現実は・・・お客様が来てくれない。 エステ経営者が廃業に追い込まれる一番の原因がお客様が来ないからなのです。 技術も接客も一生懸命なのに、どうしてお客様がこないのでしょうか? その一つが新規集客をしないからです。 新規集客をしているのにお客様がこないのはその方法があってないからです。
間違っているのではなくて方法があってないだけなのです。
特に開業前のエステ経営者は新規集客を万全に対策する必要があります。 店舗内のことに集中してしまいがちですが新規集客は開業してからでは遅いのです。 エステサロンがオープンした時点で予約が埋まっている状況をつくらないと後々苦戦をしいられ、それが続くと赤字になるため精神的にもゆとりがなくなり廃業に追い込まれる現実が目の前に迫ってきてしまいます。 エステ経営者が廃業を回避するためにはオープン前の最低2ヶ月前から新規集客に力をいれるべきです。それも、なるべくお金をかけない集客をしましょう。 オープン前でも方法は色々あります。
1チラシ オンラインが中心の集客のなかでやり方次第で強力な集客ツールになります。 この場所にサロンがオープンしますよ!ということを知ってもらう為に近隣にチラシを撒くことは何より有効な認知方法です。
2プレオープンで予約を入れる
オープン日の1ヶ月目くらいから、予約を取りはじめましょう。 お客様がいないのにどうやって?っとそう思いませんか? この話をすると必ず言われるのが、「まだお客様がいないんですけどどうしたらいいですか?」です。
お客様がいないから予約を先取りする必要があるんですね。 認知を徹底するために料金を頂戴しないでプレオープンのお試しで多くの人にサロンの技術を体験してもらいましょう。開店後1ヶ月はすべて無料体験で埋まっている くらいの提供をしてちょうどいいくらいです。 つまりプレオープンとして「無料」でサービスを体験していただくのです。
その集客に役立つのが1、チラシです。 無料で提供するなんてとんでもない・・・そう思う方も多いかもしれませんが、そんなことはありません。ここにこんなサロンが誕生したことを知ってもらえるチャンスだととらえると次へと繋がる大きなコミュニケーションです。 技術と接客に自信があればなおの事、気にいって下さればサロンのファンになってくれる確率が高いのでオープン後の固定客になる優良な見込み客になります。
3 認知活動 エステ経営者が開業前にやるべきことの最優先は認知活動です。 廃業を回避するにはサロンがオープンするということを、とにかく知ってもらう必要があります。 かといって集客に宣伝費をドカ―ンとかけられるのは資金に余裕があるか大手サロンだけです。宣伝費をかけて集客するのではなくなるべく経費をかけずに集客することをオススメします。 現在は便利な世の中で無料で宣伝できるツールも数多くあります。 Facebook ライン@ Twitter インスタグラム mixi エキテン 自社ブログ ポータルサイト YouTube さっと思いつくだけでもメジャーなところでこんなにあります。だからといってこれを全部やる必要はありません。 一番利用しやすい! と思うSNSを集中してやる方がいいです。 ターゲットに合わせた集客が必要ですが実際に開店してみないとターゲットもズレてくる場合があるのと、どの媒体が顧客層とマッチしているのかが不明だからです。 なんでもかんでも、手当たり次第にやみくもにやるのではなく、どの媒体で認知活動をしてもコンセプトは変わりません。 コンセプトに共感したお客様がどの媒体に多いのかを実際に認知活動の中で探るのが最初のスタートです。 エステ経営者が廃業を回避するための重要な集客です。
エステ経営者が廃業を回避するための最後のポイントがリピートです。 繁盛店にして利益がでるエステサロンにするにはリピートに全てがかかっているといっても過言ではありません。 つまり新規→リピートの頻度が上がれば売り上げは上がるということです。
エステ経営者が廃業を回避するポイント1コンセプト 2新規集客 は全て 3リピートにつながるポイントです。
開業1ヶ月目でお客様が満席になったとしても、リピートをしてくれないと毎月が苦労の連続になってしまいます。
お客様第一に心をこめてお迎えしてお手入れをするそして喜んでもらいたい!そんな夢と希望に溢れた開業もリピートが取れないと自信を無くし開業当時の熱い想いも、いつのまにか苦しさや孤独に陥ってきます。 技術が素晴らしくて接客がよければお客様が勝手に集まってくる! それはただの思い込みか勘違いです。
一般のお店をみてみると、それがよ~くわかると思います。繁盛しているお店や通販でバカ売れしている商品は技術が素晴らしくて接客がいいですか? 通販の商品は宣伝通りに高品質の商品でしたか? もちろん噂にたがわず最高のサービスと接客を提供してくれる素晴らしいお店はたくさんありますし、粗悪な物やサービスでも上手くやれば売れるから宣伝上手になりましょうね! といってるのではありません。
粗悪な物もサービスも宣伝上手で売れるかもしれませんがリピートはとれません。
最高のサービスと接客でお迎えしているのにリピートに繋がらないのは同じエステ経営者として、そして技術者として残念で仕方がないのです。 あーーー、勿体ないなー。 ここで、こういえばいいのに。 あーそれは今言っちゃだめでしょう。 あらら?そのタイミング? あーーー何が言いたいのかわかりませんよーー。 っとこんなことが多々多くあります。 サービスと接客が最高なのにリピートが取れない原因はお客様ではなく提案者のセールススキルの問題です。
セールススキルとは上手く話して説得するのではなく提案したサービスをお客様がスムーズに買いやすくする環境をつくることです。 その環境とはお客様にサービスを言語化して正確にお伝えすることと、お客様のお悩みの前にあなたがお客様に何ができるのか? 何を提案しているのか?
それをわかりやすく順序立てて伝えることができるクロージングになっているかどうかです。 自分で何をいってるのか自分自身がわからなくなってしまうのはコンセプトを自身が理解していないか決まってないか、何を提案したいのか、その提案を受けたお客様がどうなるのかをしっかりと相手に伝える前に自身が理解することが重要です。
経営者が廃業を回避するポイントはサロンのコンセプトをしっかり決め開業前の2ヶ月位前から新規集客に全力投球で予約を埋めることと、リピートのクロージングスキルを磨くことです。1コンセプト 2新規集客 3リピート この3つをおさえて開業すれば廃業においこまれることはありません。