「サロン経営」リピートの質を上げる方法
2018.05.20
技術力が高くてもリピートされなけれは価値はなく、接客が素晴らしくても、リピートされなければお店は潰れてしまいます。
ところが、リピートが多いのに経営が苦しい問題も出てきます。
顧客数✖単価✖購買頻度=売上
この基本のバランスが悪い場合の問題点をみていきましょう。
これは単価の問題です。
リピート率が高くても顧客単価が低ければ繁盛すればするほど経営状態が苦しくなります。利用者が増えれば増えるほど人件費がかかりますしベットが足らなくなると店舗を増やす必要も出てきます。
店舗を増やしてみたら状況が変わり集客人数が激変し、さらに格安価格で集客せざる負えない状況に追い込まれ家賃、人件費、宣伝広告費でやっていけない・・。
サロンでの入社希望の面接は経験者の中途採用希望者も多いのですが、ボディマッサージ店で働いていたエステティシャンの方に前サロンの様子を聞くと同じような返答が返ってきます。
・とにかく忙しくお客様が多かった
・昼食を食べる時間が取れないことが多かった
と毎日かなりの数のお客様をこなしていたようです。
そして辞めた理由は?
・体がキツイ
・給料が安い
この2つがダントツに多い本人の辞めた理由ですが、そんな時にいつも質問することがあります。それは
『そんなに重労働でお給料も安いのに続いた理由は何ですか?』です。
何だと思いますか?
ボディマッサージ専門店から面接にくるエステティシャンの平均年齢は20代前半から25才までが多く美容学校を卒業して現場で3年〜5年働いてきたくらいですかね。
答えは人間関係です。
同時入社したエステティシャンが数人いることと、仲が良かったので働きやすかった。仕事はキツくて辞めたかったけど、みんな辞めたがってたので我慢ができた。
みんな辞めたがってるから我慢ができた・・・。
経営者が聞いたらビミョーですね(笑)
結局は人間関係がすこぶる働きやすく職場環境には目をつぶって働いていたけれど年齢的にそろそろ先のことを考えないといけないと焦り退職して新しい環境にステップアップしたかった・・・ということになりますが、食事する時間もないほど忙しいのにお給料も安ければ
誰だって辞めたくなって当然ですよね〜
と笑ってられないのが経営者です。
新店舗を考える時に既存の顧客数をこなすための出店は、後々に経費が経営を圧迫します。
反対に現店舗の同じモデルを増やす、または別コンセプトの新店舗を出す場合は可能性が広がります。
顧客数をこなすために出店するということは、店舗のキャパにサロンのシステムがあっていないためにキャパオーバーで新店舗分の余分な経費がかかるということです。
店舗数を変えずに売上を上げるには
客数を減らしベット数を考えて単価を上げるしかありません。
値上げです。
サロンのオーナー様と話していると値上げがなかなかできなくて、どうしたらいいですか?と聞かれることが多いいのですが、いきなり値上げとなるとお店側も勇気が要りますよね。
値上げをする前に考えてみてください。
たとえば、整体に行ったとします。
60分で20,000円だとしたら高いと思いますか?
私は高いと思います。
整体というと全国的な相場みたいなのがあってエステサロンに比べると安く通えるようなイメージを持っているのと、いまだかって60分で20,000円の整体に行った人に会ったことがないので経験がないからです。
そこで20,000円の整体を受けるかどうかですが、内容によります。他では受けられない整体技術で尚且つ改善したい悩みに合っていれば受けると思います。
でも、特に特徴もなく他の整体と変わらないと判断したら20,000円も払って受ける気にはなりません。技術が抜群で他店にはない技術だと言われても同じです。
他店にない技術だと言われても整体は整体でしかなく整体を受けるのに20,000円は高いと思うからです。
これはマッサージでも同じことが言えますね。
マッサージの相場は1時間6,000円だといわれていますが、マッサージ相場と比較すると1時間20,000円だとしたら目玉が飛び出るほど高い・・・となってしまいます。
あなたのサロンの技術が、一般的なエステサロンで行なっている機械、マッサージ、の内容だとしたら、それはマッサージ屋さんの全国平均価格と同じようなイメージをお客様はもちろん何より自分自身が持っているので値上げはできません。
現在10,000円のメニューがあるとしたら
倍の20,000円にして顧客数を半分に減らし一人一人のお客様に丁寧に接客して顧客満足度が「満足」から
「とても満足」になれば、購入頻度も増えるのでスタッフは、しっかり休憩をとりながらお客様中心の仕事ができるようになります。
値上げができない理由に思い込みがあります。
エステサロンだから・・整体だから・・・マッサージ屋だから・・・。どれも自分が思っているだけでお客様は気にしていません。
便宜上、何を行なっているお店なのかがわかるようにエステティックサロンの看板を出していますけど大事なことはサロンのコンセプトです。
1、サロンの目的
エステといってもリラクゼーションのために行なっているのかセルライトケアなのか疲れを取るためなのか痩せるためかボディラインを整えるためか、肌のリラックス、肌の悩みの改善、と目的があります。
ハーツイーズの場合はボディは卒業、フェイシャルはノーファンデ、ヘッドスパは頭皮の復活と目的がはっきり決まっています。
新規のお客様の要望に合わせて変わることはなく、先にサロンのコンセプトをしっかりとお伝えしてそこでお客様が自分に合うかどうかを考えます。
2、目的を実現するためのプロセス
次に目的に到達するための具体的な方法をお客様にお伝えします。
その中には初回のお試しの体験も含まれています。新規のお客様がサロンの目的に興味を持ったとしても、それが本当にそうなるのかどうかはわからないので不安ですね。
かといって体験を1回受けただけで今後のことは未知数です。そこで他との違いが必要です。どこでも受けられるマッサージや技術では大金を投資する気にならないのは当然です。
今までの価格が1時間10,000円だとしたら20,000円になったとしても納得できる内容になっているのかどうかです。ここでマッサージの技術も重要ですが付加価値があるかが値上げできるかどうかの基準にもなります。
付加価値とはサロン目的です。
ただマッサージを受ける、整体を受ける、だけで価格を決めないでマッサージを受け続けるとどうなるのか?このサロンに通うことでどんな自分に変われるのか?とサロンが示す目的とお客様の望みが一致すると、そこに技術以外の付加価値が発生して20,000円でもやってみたい・・に変わります。
3、カウンセリング
10,000円が20,000円になっても購入してもらうためには技術だけでは伝わりません。
サロンの目的(存在価値)やお客様の悩み、その悩みを解決する具体的な方法をお伝えするのは技術ではなく言葉です。
人と人の会話の中、つまりカウンセリングが最重要なのです。
値段がいくらで今日の売上がいくらで・・・
売上のことが頭から離れなかったり、数字のことを考えながらカウンセリングしていると、どんなに内容が素晴らしくても相手には伝わりません。
同じことを伝えていても人によって伝わり方が違ったり成果にあらわれないのは理由は簡単でカウンセリングが下手。それだけです!
下手なカウンセリングとは?
・相手の顔色ばかりが気にしてしまう
・カウンセリング中に「これを言ったら何て思うかな」と相手の様子が気になる
・話が前後して何を言っているのかわからない
・相手が興味がなさそうだとテンションが下がる
・自分の気分で話す内容が変わってしまう
思いあたる方は、何より先にカウンセリング技術を磨くといいですよ。そうするとサロンの目的や想いなんかもよ〜く伝わるようになり値上げもすぐにできると思います。
付加価値をつけてスムーズに値上げをすることで
スタッフの労働力も削減できるので長く勤務することができますし、丁寧なカウンセリングを行うことでスタッフも自信とプライドを持って仕事に取り組むようになります。